【耳抜きができるようになったコツ!】出来ない人の特徴&解決法を潜水士が解説!

潜水士

耳抜きが出来なかった潜水士が伝授する「耳抜きができるようになるコツ」をご紹介。
ダイビングの予定があるのに、耳抜きが「出来ない」「苦手」「不安」な人は必見!!
耳抜きが出来ない体質だと諦めていませんか??
それは自分の思い込みなだけかもしれません。
私もそうだったので非常に気持ちがよくわかります。しかし、「ちょっとしたコツ」を掴むだけで耳抜きができるようになるのです!

※無理だけは絶対にしないでください。
 この方法でも「耳抜きが出来ない体質の方」もいらっしゃいます。

耳抜きとは

簡単に説明すると

「耳内部と外部との圧力の差を無くし、耳の違和感をとっていく作業」です。

つまり、耳は外側から、外耳道→鼓膜→中耳腔という作りになっています。
水中を潜行していくと、外耳道から鼓膜へ圧力がかかります。
そして、鼓膜を内側に押し込み違和感を感じるのです。

そこで、咽頭(鼻の奥から食道)とつながる耳管というものを、これから紹介する方法で開き、中耳腔に送り込みます。
こうすることで、外耳道と中耳腔の圧力差を無くし、鼓膜への負担を解消します!

もしこれが出来ないと深くは潜行できず、2〜3m付近で鼓膜が猛烈に痛くなります。
人によっては約3mで鼓膜が破れてしまいます。

画像引用:https://images.app.goo.gl/kKs5m8NxJ2ijeQVn9

「何mに何回耳抜きする」という明確な基準や決まりはないので、
自分のタイミングで耳抜きしていくことが重要!!

耳抜きの方法

耳抜きには様々なやり方があります。

正しい方法で、自分に合ったやり方を見つけることが重要です!

バルサルバ法

最も有名なやり方です。

やり方は
鼻をつまみ口を閉じます。
鼻をかむ時と同じように息を吐くように(鼻付近に圧力をかけるイメージ)空気を耳へおくります。

これは鼻や耳に圧力がかかり、負担がかかるのであまり強くやらないようにしましょう。

フレンツェル法

少し難しくいですが、体への負担が少ない方法です。

やり方は
舌の付け根を上顎の奥(柔らかいところ)に当てこむようにします。

これだけで耳が抜けます。
最初からできる人もいれば、慣れていてもできない人がいます。
体への負担が少ないので、出来ればこれで耳抜きしていきたいところです。
1度は挑戦してみるのも良いかもしれません!

トインビー法

唾を飲み込むだけです。

これほど楽なものはないですが、これもできる人とできない人がいます。

注意点としては、ダイビング中は口の中が最高に乾きます。
そういった時に飲み込むものがないと耳抜きできませんので、上記の2つのうち、どちらかを習得しておくことをオススメします。

その他、面白いやり方

これまで出会ってきた中でごく少数ですがこんなやり方の人もいた!
という方法を紹介していきます。

  • 下顎を左右に動かす
  • 鼓膜付近を動かす(ほぼ何もしない)
  • 鼻の下を上唇内部から下唇で鼻の穴に押し当て、あとはバルサルバ法のように空気を送り込む。

3つ目はほぼ何いってるかわからないですよね(笑)

できない人の特徴

上記のどの方法をやっても耳抜きが出来ないという人はよくいらっしゃいます。

経験則ですが、出来ない人の多くは「慣れていない」ということがほとんど。
潜水に慣れればできたという声をよく聞きます。

その「できなかった」という代表的な要因を見ていきましょう。

あなたに当てはまることがあるはず!

タイミングが遅い

「耳抜きできない人の特徴、第1位!」といっても過言でないです!

耳抜きをしようとした時には水圧がかかりすぎていて抜けないパターン。
タイミングが遅いと耳抜きができる人でも、抜けなくなります。

潜行していって、耳抜きをしようと思ったその瞬間に耳抜きをすれば大体抜けます。
しかし、そう思ってから鼻をつまみにいく、その一瞬の間にも潜行して水圧は増しているので、タイミングが遅れてしまうんですね。

潜行スピードが速いと尚更タイミングを逃しやすいです。

これらの解決方法は、「いつでも耳抜きができるように」しておくことと
「潜行スピードを遅くする」ことです。

経験上、これで大体解決します!

頭が下になっている

空気は上(水面)に向かって動きます。

特にバルサルバ法で耳抜きする方は空気を頭(耳)の方へ送り込みたいのに、頭が下(ヘッドファースト)の状態で潜行すると、空気は送りにくいです。

解決方法は、「慣れるまでは足を下(フットファースト)にして潜行」していきましょう。

縦方向の潜行時だけでなく、横方向に泳いでいる時も深度が深くなることがあります。
その時に頭の位置が低くなっていたりするから注意!

鼻のつまみ方

私は潜水士になった時、このパターンで抜けませんでした。

しっかりつまんでるようでつまめていません。

特にマスク(水中メガネとシュノーケルが一体化したもの)は外国製のものが多く、日本人の顔より少し大きめに作られています。
特に鼻の部分は余裕が結構ありますよね。

ですので、しっかりつまんでいても、マスクのゴムしかつまめていなくて、耳の方へ送り込む空気が漏れている可能性があります。

解決方法は、「いつもよりガッツリつまむ」
指先だけでつまんでいたものを指の第1関節全部でつまんでみましょう。

鼻血が出るほどとは言いませんが、空気が抜けないようにしっかりつまみましょう。

最後に経験談を記載してありますので、参考にしてみてください!

緊張・力み

「耳を抜かなきゃ」「足のつかないところだ」ということで緊張、力みがある方も耳抜きが出来ない傾向にあります。
肩の力がガチガチに固まっていると耳抜きできなかったり、バルサルバ法で鼻血が出ます。

これの解決法は、「とにかく慣れる」そして「リラックスする」こと。

力んでいる時よりリラックスしている時の方が、何かとうまくいくものですよね。
耳抜きも同じです。

よく「リラックスして〜」って指導するのですが、やっぱり不安な場所で力んでしまう方が多いです。
本当にリラックスできる時というのは、水に慣れたり、耳抜きに慣れた時。

最初は足のつくお風呂やプールで耳抜きの練習を何度もしてみましょう。

空気の送る場所

空気の送る場所、圧力をかけるべき場所にかけられていないパターンです。
本来は頭(耳)の方に空気を送りたいのに、送れてないんですね。

これは慣れていないだけでコツを掴めば一瞬で解決します。

解決法は、「本当に鼻をかむイメージ」で送ること。
本当にいつもと同じ感覚でやってみてください。
水中だからといってちょっと力入れすぎたり、いつもと違うことをしてしまう方が多くいます。
変わってることは鼻をかむときに空気を逃さないようにするだけ。

体調不良

これは誰にでもあることです。
体調不良で耳は抜けなくなります。
体調不良だけでなく、鼻炎や花粉症、熱中症、二日酔い、寝不足なんかも注意です。

なので、「体調不良=潜水不可」です。

ダイビングの計画を立てるときは、体調や季節も気にしながら計画することも大切です!

やっちゃいけないこと

耳抜きは命に関わります。

当然危険な行為はしてはいけませんが、人間て不思議なもので、水中で危険を感じると何をしでかすかわからないものです。
危険な状況になる前に対策しましょう。

我慢

鼓膜が破れ、最悪命を落とす危険性さえあります。

耳が抜けないと感じたら焦らず一旦浮上しましょう。
その日は体調が優れていないだけかもしれないですし、再び潜ったら抜けるかもしれません。

焦って潜っていいことないです。
我慢せずにしっかり耳抜きしながら潜ってみましょう。

潜水研修で、良い成績を修めるために我慢し、鼓膜を破った事例もあります。
結局その研修生は研修辞退。潜水士になれませんでした。
我慢していいことはないですね。

思いっきり耳抜きする

先ほど少し触れましたが、
耳抜きを確実にしようと、力みすぎてやってしまいがちなこと。

これをすると鼻血が出ます。

潜水中は正直気づかないことが多いですが、鼻の粘膜を傷つけてしまうのは体に良くないですね。
また、鼻血を飲み込んで気分を害してしまうこともあるので注意しましょう。

短く一瞬!
「プッ」てイメージで!

片耳だけ成功=OKじゃない!

両耳は繋がっていないので、両耳確実に行ってください!

片方が抜けて片方が抜けないということもよくあります。
そのまま潜ると片耳だけ激痛&鼓膜が破けますので、確実に行ってください。

もし片耳だけ抜けないようであれば、抜けない耳を水面の方へ向けると抜けやすい傾向にあります。

耳抜きのコツ

先ほど耳抜きが出来ない人の特徴と解決法を紹介しましたが、ここではもっと上手に、スムーズに耳抜きする方法を紹介していきます。

やらなくてもいいものですので、参考程度に見てみてください!

ずっと鼻をつまんでおく

先程、「耳抜きしようと思ったその時にできるようにしておきましょう。」と紹介しました。
その究極論、「ずっとつまんでおきましょう」

そうすればいつでも耳抜きが出来るので安心。
あとは息を吹き込むだけ。

それだけでも心の余裕が生まれるので良い効果があります!

私は右手は「耳抜き専用の手」として、携行品も持つなら左手にして潜行していました。

目を瞑ってみる

これは賛否分かれますが、目を閉じるとできるという方もいます。
実際に私も目を瞑って耳抜きしています。

やり方は簡単で、空気を送り込むその一瞬だけ目を瞑りましょう。
そうするとなぜかできるものです(笑)

ずっと目を瞑ってると集中できるかもしれませんが、自分の現在地を見失ったり、不安を感じる方もいます。
自分に合ったやり方でやってみましょう。

実際に私はこの方法でやってます。

頭のてっぺんに空気を送るイメージ


これは完全に個人的な感覚です。

鼻をかむように耳抜きをしていくのは変わりありません。
よく、「お腹に力を入れているだけで空気を送りこめていない」
もしくは「空気を喉の方へ逃がしていまう」方を見受けます。


上に送るべき空気を下に送らないように「顎を引き、頭のてっぺんに空気を送る」イメージを持ってやってみてください。

耳に違和感を感じた瞬間むしろその前に耳抜きする

とにかくこまめにやります。

私は特にレスキュー系の潜水士でしたので、迅速な潜行が求められました。
ですので、耳抜きの失敗で浮上して潜行という手間を省くために、違和感を感じる前に常に耳抜きをしていました。

とにかく、違和感が強かったり、痛くなってからでは抜けないので早め早めに抜いておきましょう。

私は潜行中、体感1mに一回は必ずやっていました。

それは違和感を感じていなくても定期的に必ずです!

耳管ストレッチ

最初の「耳抜きとは」で少し耳抜きする時の体内の動きについて触れました。
もう少し踏み込むと、この「耳管」という耳と顎の間付近にある管を開き、耳抜きをするんですね。
この耳管が開かないと耳抜きが出来ないんですね。
ここは普段閉鎖されていて、この耳抜きの時に開きます。

潜る前はこの耳管をストレッチして開きやすくしておきましょう。

ストレッチ方法は簡単。

  • 耳と顎の間をマッサージ
  • 首を左右に倒しストレッチ
  • 顎を外れない程度に大きく動かす
  • 実際に耳抜きを大気圧下で行う

これでだいぶ耳管が開きやすくなるのでオススメ!
ガムを噛むのも効果的みたいです!

私は要請があったら、このストレッチを毎回やっていました。

特に陸上では耳抜きを数回やり、耳管を慣れさせていました。

経験者の耳抜き克服法

私の実体験です。

レスキュー系の潜水士になる前からレジャーダイビングは好きでした。
その時は耳抜きも問題なく出来ていました。

しかし、潜水士になって訓練が始まるとなぜか耳抜きが出来ません。
ヘッドファーストの訓練が多かったせいか、全然安定しませんでした。
これは流石に焦りましたね。せっかく潜水士になったのに、耳抜きが出来なくなっていたなんて話にならない。

そこで普段から耳抜きの練習を水面でちょくちょくやるようにしました。

その練習の中で自分の中で「こうすればできる」というのが確立していきました。

私の場合は

  • 右手(利き腕)で鼻の穴の方からつまみあげること。
    (イメージは下から上へつまみ上げる感じ)
  • 空気送る時は目を瞑る。
  • 潜行直前に陸上と水面で数回耳抜きすること。
    (準備運動のような感じ)
  • 潜行中は違和感を感じる前に定期的に行うこと。

ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

  • 耳抜きとは
  • 耳抜きの方法
  • 耳抜きできない人の特徴
  • 耳抜きのコツ
  • やっちゃいけないこと
  • 克服実話

についてまとめました。
私も耳抜きが出来ませんでしたので非常に気持ちがよくわかります。
だからこそこの記事を書こうと思いました。
耳抜きが出来ない方の気持ちは痛いほどわかります。
「潜れるかな」の前に「耳抜けるかな」の心配の方が先に来ますもんね。

でも、耳抜きが出来ないから水中の世界を楽しめないなんて勿体無い。
できる人には必ずできるようになって欲しいという願いを込めて記事を書きました。

更に、命に関わることですので、より詳しく正確にするために他の方のブログの画像等も引用させていただきました。すごくわかりやすい図や素晴らしい内容の記事がたくさんありました。
そこでは、たくさんのコツややり方があって多種多様の分野なのかなと思いました。


ぜひ、たくさん情報収集してみてください!

最後まで見ていただきありがとうございました。

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